第二十一試合:黒と黒、そしてまた黒
<前置き>
これは発行部数9000部を誇る夕刊プロレスというメールマガジンに「KING OF SPORTS」というタイトルで不定期連載しているコラムです。ここにアップするように多少の手直しが入る可能性もありますが。
</前置き>
結局1月分の原稿は落としてしまいました。その分なぜか2回分手元にあったり、私が引きずり込んだドシルくんの武道館裏話投稿もあったことだし、ご勘弁いただこう^^;;;
と書いてた同名コラムも没にしました。最近コラムネタに詰まる理由がようやく見えてきた。これまで以上に情報が速くなったのだ。各種WEBからの速報、その後週刊誌で読む。それから数週してようやくTVで見る。結果も全て知ってる試合の再確認。燃えない。テンションが上がらない。
このタイトルは蝶野の黒と武藤の黒の決着戦が、私の思い浮かべる新日ストロングスタイルに見えた、パワーボムもラリアートもないプロレス、新日における黒とはストロングスタイルの象徴。そしてその元祖の黒、アントニオ猪木の影響力の復活、つまり小川の黒。ストロングスタイルの新しい時代はこの3つの黒から生まれると思った。
2月8日、東京出張から帰って新日の中継のビデオを見た。久しぶりに熱くなった。鈴木VS健介。鈴木は本当にいい目をしている。タックルと気迫だけという状況だが、細かいところにいい指導を受けてるな、という印象を持った。そして動けなくなるまで闘い、健介を越えてみせると語った。好きなスタイルのレスラーになるとは思えないが、いいレスラーになると思う。
T2000 VS nWoジャパンの6人タッグもよかった。フライはすっかりプロレスができるようになったし、スーパーJも完全に日本スタイルになじんでいる。nWo組のコンビネーションもすばらしい。情報としては既にこのメンバーの再編成が進んでいることが公にされているわけだが、それにしてもいい試合だった。
そして橋本、飯塚VS永田、中西。結果は知っていた。飯塚が髪を切ったのも知っていた。が、まさかこんな試合になっていたとは。橋本も今度こそは変化の兆しが見える。それ以上に飯塚の変化が凄い。これが以前のように尻すぼみにならないことを祈るが、この試合で見た感じ、まったく別人と化している。短く刈り上げた髪、少し蓄えた髭、そして少し体も大きくなったように見える。これは自信がそうさせるのか?その印象はあたかも短髪時代の馳や、全盛期の藤原を思わせる。そう、いわゆる仕事師の印象だ。試合運びもまさにそういう印象。カットプレーの合間とはいえ、中西を締め落とした。今までならその後”ちゃんと”打撃に屈し、”ちゃんと”負け役という”仕事”をこなしていた。が、打撃にも屈せず、逆転をくらうこともなく、”関節技の仕事師”ぶりを見せ付けた。永田との関節の取り合いに勝ち、蹴りに耐え、捕まえた。中西のパワーには押されたが、屈しなかった。
飯塚のスタイルは私が求めてやまない、昔の新日ストロングスタイルに限りなく近い。パワー技や蹴りに頼らない、上質な技術のせめぎあい。猪木スタイルの逆襲?
コアになるストーリーが存在しない新日ではあるが、楽しみな要素が増えてきた。後は。。。小川、橋本戦を急がないで、安売りしないでと藤波社長にお願いしたいというところかな。蝶野の黒、武藤の黒、小川の黒で書き始めたこのコラム。今の時点では蝶野の黒、猪木/小川/橋本/飯塚の黒、鈴木らの世代の黒、ライガーの黒(あっ、書いてなかったな)、闘魂伝承をもくろむ健介の黒。誰が抜け出すのだろうか。永田のオバケはここに食い込めるのか、ようやく久しぶりに新日が本当に面白くなってきたような気がする。
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