第四十六試合:丸藤正道
<前置き>
これは発行部数9000部を誇る夕刊プロレスというメールマガジンに「KING OF SPORTS」というタイトルで不定期連載しているコラムです。ここにアップするように多少の手直しが入る可能性もありますが。
</前置き>
コラムネタを思いついては破棄しつづけ、ようやくどうしても書いておきたいネタが2つたまったのでまとめて出したりしてるわけですが、今考えてるのはレスラー個人名タイトルのコラムをシリーズ化してみようか、ということ。発端はデビッド・シュルツだったんですが、すっかり自分の中で風化しちゃって破棄。過去には、タイトルに個人名を含むものがいくつかと、個人名ダイレクトはマチダリョウトぐらい(あぁ、彼ももっと試合させてやってほしいなぁ)。
ということで丸藤なんですが、3月末に爆RING(読売TVの大阪プロレス番組)でSUPER J-CUPがようやく放送されました。それを見て彼を題材に、と思ったわけです。前のコラムとは正反対の内容になりますが、この放送はよかったです。ケンコバのプロレスを知り尽くした解説もいいし、余計なスタジオトークとかは番組冒頭に少しだけだったし、短いながらも全試合(多分)やったし、なによりトーナメント以外の参加レスラーの長年にわたるドラマの集大成になってるとこもあったし、その場その場ででっちあげたドラマとは違うものが見られたので、ほぼ一月遅れであっても充分に楽しめた。ま、Jrのお祭りは、いつみても楽しいのですが。
さて、その優勝者の丸藤、実は嫌いなんです(苦笑)。天才だし、華やかだし、若いし、将来有望です。夕プロ2000号記念大会の時には生で、それもすぐ近くで見ましたし、入場>コーナーに立つ姿をいい感じに写真に収めることも出来ました。ただ、あの試合にしてもそうなのですが、どうもノアの中堅以下の選手って、「お仕事してます」的な試合が多くて盛り上がりきらないんです。やっぱ新日派なんですね、私。過去、新日の会場には何度も行きましたが、そんな試合なかったですもの。試合結果としては、最近「お仕事」が多すぎる気がしますが。。。
えぇ加減に本題の丸藤ですが、まさに天才。すばらしい運動神経と跳躍力は他の追随を許さない。いかんせん線が細いのはありますが、それでもすばらしいレスラーにちがいありません。不知火、フロムコーナートゥコーナーなんて、もうたまりませんわね。でも、そういう技の使い方、つなぎ方を見てると、どうも作業的に見えるのです。試合経過のこの辺で飛んで、この辺でこの技だして、この辺で決める。いいんですよ、それでも。でもなんか、あまりにも予定調和に乗っかりすぎてる気がして。
彼を見てると二人のレスラーを思い出すのです。Jr時代の馳と故オーエン・ハート。二人とも天才でした。でもつまらなかった(苦笑)。馳は機械のように効果的な攻撃を積み上げて、完璧な状況でノーザンライト・スープレックスを繰り出した。もう誰も返せません。見ていて安心感はあるのですが、途中燃えられないのです。ハートもすばらしい技をいろいろ見せてくれましたが、つなぎ方がぎこちなかったり、なんと言っても感情が見えないので燃えない。馳はヘビー転向後、天才だけでは通用しない体格の壁をぶち壊し、すばらしいレスラーに変身、ハートもアメリカで活躍したわけですから、丸藤にも今の天才スタイルだけではなく、もう一皮むけてもらいたい。やっぱ新日Jrの選手とドロドロの試合をやるべきかな?感情剥き出しで、しばらく負けつづけるような。ライガーにぶっとばされ、金本に蹴りまくられ、成瀬あたりに極められ、それでも這い上がってくる、というストーリーを。タイガー、ヒートあたりとお茶を濁していてはダメだ。
SUPER J-CUP、トーナメントの3試合、それも葛西、ガルーダ、村浜というまったく違うタイプ3人との戦い、きつい試合の中で得たものがあるはずだ。村浜との戦いのように、熱いものをもっと表に出せるようになったとき、本当に君の時代がやってくる。ノアのJrが、そして丸藤が最強です、といい切れる時代が。
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