第四十七試合:月の天才(児)
<前置き>
これは発行部数9000部を誇る夕刊プロレスというメールマガジンに「KING OF SPORTS」というタイトルで不定期連載しているコラムです。ここにアップするように多少の手直しが入る可能性もありますが。
</前置き>
「普段はそれほど力を入れない外人レスラーでもね、最強タッグ(あれ?チャンカンだっけ?)だけはね、必死でやるんですよ。本気でね。」これは東京勤務中、とある飲み屋で知り合った方に聞いた話だ。氏は昔、全日にかかわっていた。といっても会社に関わっていたというより、馬場さんとの個人的な関係から、馬場さんを筆頭に、各レスラーの個人の経理を見ていたりしたそうだ。残念ながらもう2年ぐらい前の話であり、結構飲みまくってエンジンかかった後のことだったので、他にもいろいろ聞いたとんでもないお話の数々は記憶の彼方だ。
さて、ようやく大阪でG-1の映像がTVで流れた。ケーブルも衛星も見ていない私、しかもオリンピックやらなんやらで、リーグ戦の映像が大阪で流れたのかすらよく分からない状態。どうせ結果が分かってるんだったら、トーナメントなんかより、いろいろ興味深い組み合わせもあったリーグ戦のダイジェストでも流せよ、と思いながら、深夜、うとうとしながら見てた(もち、これは録画を見た後で書いてるが)。
プロレスは筋書きのあるドラマ、と言われている。それを否定する時代は卒業した。筋書きがあるからこそいわゆる総合格闘技よりドラマチックであり、それを感じさせない凄い闘いがあるからこそ、普通のドラマを見るより興奮する。卒業したはずなのに、最初にあげたような話を聞いたがゆえに、ひょっとしてこれはプロレスの上での真剣勝負なのではないかと思うことがある。その極みがG-1である。
「なんで外人選手がそれほど張り切るかというと、日本で、馬場さんの下でアメリカでもトップクラスのレスラーがやってくるそのシリーズで認められれば、明らかにアメリカに帰ってもポジションがあがる」それが理由らしい。どういう意味での本気なのだろう。負けるという結果を含めて、馬場というプロモーターの期待に完全に応えるということだろうとは思うのだけど。。。
天山は、新闘魂三銃士と呼ばれる3人を1日で全て倒した。すさまじいドラマだ。一押しで負けが許されにくい中邑に関しては、蝶野のアシスト付きという筋書きというところも含めて、本当に劇的な筋書きだ。新社長が書いたのか?上井か?まだ蝶野なのか?それとも。。。本当に、本気なのか?
そんな夢を持たせるG-1となったのは、やっぱ天山のおかげかも知れない。天山が早くトップに立てなかったのは、彼の人柄のせいだ。人が良すぎるのだ。過去に、いろんな意味で、人間性の問題でトップに立てなかったレスラーは多い。よく友人と、「あぁ、俺ら二人に高野兄弟の体があったら、今頃日本プロレス界牛耳っとるで」とか、「あぁ、中西の体が。。。」とか。。。じっと我慢して、努力もし、蝶野というブレインが(多分今でも)付いた天山は、ようやく今の地位を得た。中西はブレイン浅井君の期待に応えられるだろうか。
決勝で闘った棚橋は「太陽の天才児」らしい。個人的には、他の二人のキャラに対抗し、一枚皮がむけるためにも、思い切って例の事件を逆手にとって女ったらしキャラなんかを見て見たいのだけど(苦笑)。ディーバをいっぱい侍らせて、上手く、ずるく、かっこよく。おっと、話は天山だ。天山は天才だとずっと思っていた。もう「天才児」という年ではないが、見た目通りのパワーと打たれ強さを持ち、その外見からは考えられないような器用さを見せてきた。ラウンディング・ボディープレス、フライング・ニールキック、美しく、高く。パワーファイターとしてのキャラのため、封印している技もあるだろう。でも、ずっと脇役、いや主役を支えるキャラだった。猪木を支えた坂口のように、蝶野を支え、小島をささえ。。。
長嶋に対して野村は月とか、月見草だとかいう話があったが、棚橋が「太陽」なら、天山は「月の天才」。天才ながら、月に徹してきた。今度こそ、きっちりとトップにたち、(短期間でも、ってもせめて1,2年)西村、永田、中西のサポートを受け、新三銃士に時代を明け渡すまで、大きく、強い壁となってもらいたい。新日本プロレスさん、頼むから藤田なんぞに遠慮せず、ちゃんと天山を守り立ててください。もし大事にしてくれないようなら。。。もう全日いっちゃえ>天山。んで、小島とタッグ復活して、武藤、川田を倒せ(苦笑)。
| 固定リンク
コメント