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2007/02/16

GT煩方Kenne助 第0回 若人、立つ

<Kenneth.Kです。>

『ご隠居、ご隠居ー。あれ?いないのか?
ご隠居、ご隠居ってば。居ないんなら居ない言ってくださいよー。』

『Kenne助、なんだいこんな時間に現れて。
 そんなに人の家の戸をドンドン叩くんじゃないよ。
 一体、何だって言うんだい?』

『えへへ、ご隠居、これを見てくださいよ』

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『ほぉ~、上方には立派なお方がいるもんじゃのぉ』
『ねぇ?眼鏡にかなわないカレーうどんを出す店を盗賊と呼び
 「これはいかぬな」
 の一言でたたっきる・・・』
『これこれ、それはお前さんの読み違いと言うものだ。
 カレーうどんはかれーうどん。盗賊は盗賊だ。
 まったく、お前さんときたら早合点もいいとこだ。』

『へー、そうだったんですかい。あっしはてっきり』
『命を狙われ、自らの仕事いかんでは自決をも覚悟する緊張の日々でありながらも
 カレーうどんにも使命を持って望むという立派なお役人じゃあないか。
 それにここにも書いてあるが御流後の十三(じゅうぞう)をすんなりと捕らえたとある。
 あの御流後の十三が観念するんだ。立派なお方なのだろう。』

『ご隠居、御流後の十三の知ってるんですかい?』
『いや、なに噂だがね、若い頃上方に行った時に話を聞いたことがね。
 なんでも義理と人情に厚い、義賊だってことらしい。
 腕っぷしも強く柔(やわら)を使い、その技は岩石落とし、原爆固めと呼ばれてるらしい』

『・・・詳しいですな。でね、あっしもやってみようと思うんでさ。』
『馬鹿なことをお言いでないよ。お前さんみたいな半端者に務まるわけがない。
 なによりも江戸っ子は蕎麦ってわけではないが
 ここ、相模国ではそこまでカレーうどんは頻繁に食されてはおらん。』

『いや、そうじゃないんでさ。』
『なによりも侍の仕事を町民のお前さんにできるわけがないであろう。』
『いや、ですからそうじゃないんでさ。』
『?』
『あっしは盗賊はどうだっていいんです。剣に覚えもないですから。
 あっしがやりたいのは改方のほうでさぁ。それも神戸肉の。』
『ほぉ、こうべ肉の。』
『いや、そんじゃぁ、漢字を変えますけど陣戸肉でさぁ。
 陣戸肉の改方をやろうっていうんでさぁ。』
『はぁぁ、またお前さんの悪い癖が出たね。
 何だってそうやって首を突っ込んではぷいっと辞めてしまう。
 だからお前はいつまで経っても半人前・・・』

『お言葉ですがねぇ、ご隠居。
 あっしだって好きなものの一つや二つはあるんでさぁ。
 なに、ちょいと真似事ですよ、真似事。
 ほら、なんだって形からってのが大事でしょう?』
『まぁ、誰に迷惑のかかるものでもないしのぉ。やってごらん。
 ただし、人様に迷惑がかかるってんだったら、すぐにやめるんだよ。
 ましてやカレーうどん改方長谷川平蔵殿の名を汚すようなことがないようにな。』

『そいつぁ、百も承知、二百も合点でさぁ。』

『さぁて、面白くなってきやがったな。
 まぁ、悔しいけどご隠居の言うように改方っていうほど立派なものじゃないからな・・・
 ・・・方、・・・方、煩方(うるさがた)でいいな。』

こうして相模国の空の下、一人の若衆の思いつきが生まれたのであった。
町民Kenne助、齢27歳の冬のことであった・・・

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