[小説]水滸伝 ニ/北方謙三
この巻で梁山湖の水塞を落とし、梁山泊として拠点を得ました。つーか、はぇぇ。おぼろげな記憶では、ここに至るまでに相当時間かかった、というか文字数使ってたはずなのに。いろんな好漢がはちゃめちゃな言動で暴れまわって、なんだかんだと繋がって、ようやく梁山泊を乗っ取って。。。
なのにこの水滸伝では、宋江と晁蓋が元々別々に、後に一緒になって、(ある程度)綿密な計画のもと、表の顔とは別に着々と人脈を広げ、裏経済を握り、武力を蓄え、そして梁山泊に入る。。。
北方といえば、”ハードボイルド”である。”ハードボイルド”と呼ばれる小説は、松田優作好きから大薮作品をいくつか読んだ程度。後は初期のアダルト・ウルフガイぐらいか(おい)。でも、上記の構図って、松田優作がやった「野獣死すべし」とか「蘇る金狼」っぽくない?
作者自身がそういうピカレスクロマン的なものが好きで水滸伝に手を出したのか?と思ってしまう。虐げられてたり、苦しい生活を強いられていた人が、密かに力を蓄え、法を犯しつつ、裏から力をつかみ、権力を握る。でも、長くは続かない。。。
まぁそれならそれでいいんですが、水滸伝といえばはちゃめちゃなことをやらかす好漢の魅力ってのが一番だと思うんですよね。出てくる好漢、基本的にみんな善人で、善人でないやつぁ王進のとこ送り込んで矯正。悪っぽいやつも、義を説けばみんなおぉ、と立ち上がり、それぞれができることをやる。
なんだかこじんまりとした印象。緻密な計画とともに地盤を固め、戦略を進めていく。鉄の結束があるし、きっちり内政もしてるし。。。そう、私のような石橋を叩いて、かつ渡らないタイプの性格で、光栄の三国志や水滸伝をプレイしているような。。。
面白くないわけじゃないし、細かい演出ですげぇ読ませるとこもある。また、一巻の解説とか見てると合戦シーンなんかがどんどんすごくなってくるらしいので、長い目で楽しんでいくとします。
しかし。。。藩金蓮って、あんなキャラだっけ?調べてみたら。。。あぁ、そういう展開だっけか。こっちの話だと西門慶さんの出番がない(苦笑)。こりゃ熱狂的な原作ファンは怒るだろうな。
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