大鱚 剣之介 ラーメンを食う 老郷
<Kenneth.Kです。>
遠方より友来たる。
河口湖で時計屋を営むITU衛門が平塚にやってきた。
ITU衛門は支那伝来の羅亞麺が好きなので連れて行く。
せっかくの遠来である上に
ITU衛門は羅亞麺を食べ歩いているのでヒトクセアルモノを選ぶことにする。
行った先は
老郷(ラオシャン)
透明なスープにたまねぎの微塵切りと大切りのワカメ
好みでラー油と酢を入れつつ食す。
いかんせん。クセがあることは否めないが
癖のあるものほど中毒性があることもまた否めない。
『大鱚 剣之介よ、この様な旨い物を隠していたのか』
ITU衛門も満足げな様子であった。
この店、麺と濃縮出汁の持ち帰りもやっているのだが
ITU衛門は寄宿舎住いのため、釜戸が自由にならぬという理由のため
くやしそうに辞退していた。
『ふむ、羅亞麺も普段は食わぬがなかなかやりよるわ。』
そう思いながら水を飲み干していた剣之介であったが
『さて、次はどのような店に参るのだ。』
というITU衛門の問いに水を噴出しそうになったのは言うまでもない。
つづく。
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